貸切バス許可・一般貸切旅客自動車運送事業許可の要件
貸切バス許可・一般貸切旅客自動車運送事業申請では、下記4つの要件を全て満たしておく必要があります。
資金の要件
資金の要件は貸切バス事業を行うにあたり、資金的能力を有しているか客観的に判断する条件をいいます。
貸切バス事業を営むのに当面必要な資金が確保できている必要があります。たとえば、2カ月分の人件費、1年分の諸経費(事務所や駐車場の賃料、車両のリース料、割賦支払料)などです。具体的には、所要資金の50%以上、かつ事業開始当初に要する資金の100%以上となります。
残高証明書に載ってくる額面は1,000万円以上必要になりますし、バスは高いので、2,000万円は必要になってくるケースもあります。
人の要件
人の要件は申請者が欠格事由に該当していないか、運行管理者・運行管理補助者・整備管理者が定められた資格や実務経験を持っているか、事業に使用する自動車の台数分のドライバーの確保ができているか、を確認されます。運転者については確保予定では申請受付をしてもらえないため注意が必要です。そして安全統括管理者を確保または確保予定であることも重要です。
①運行管理者について
申請に向けて運行管理者基礎講習や資格試験を受験する場合は、貨物ではなく旅客運行管理者の講習、試験を受講する必要があります。また旅客管理者試験を受験するには1年以上の旅客運送事業の実務経験か、旅客運行管理者の基礎講習を修了している必要があるため注意が必要です。
②整備管理者について
貸切バス事業の整備管理者になるには、一定期間以上の旅客バスの整備管理に関する実務経験を有している必要があります。トラックやタクシーの整備管理の実務経験では貸切バス事業の整備管理者にはなれませんので注意が必要です。
場所の要件
場所の要件について、貸切バス事業を開始するにあたって使用する営業所や車庫などの条件を満たしておく必要があります。
まず、営業所・休憩睡眠施設と車庫間の距離が2km以内にある必要があります。
また営業所・休憩睡眠施設や車庫が賃貸借の場合は、契約期間が3年以上なければいけません。ただし、3年未満の場合でも「契約満了時に自動更新する」旨の記載があれば、適切な使用権があるものとみなされます。
そして対人無制限、対物200万円以上の損害賠償能力を有する自動車保険に加入する必要がありますが、対物も無制限で加入することをオススメいたします。
車両の要件
車両の要件はバスの種類に応じた最低車両数を満たしていることが必要です。車両の区分は車両の長さと席数の違いで3種類に区分されます。
①小型車・中型車のみを使用する場合は、営業所のある区域ごとに3両以上必要
②大型車を1台でも使用する場合は、営業所のある区域ごとに5両以上必要
※小型・中型の福祉車両を使用する場合は、1台からでも許可取得することが可能です。ただし、福祉車両であっても大型車を1台でも使用する場合は5両以上の車両を揃える必要があります。